来月7/8・7/10にワークショップ形式で
「パーカッション・ボイスパフォーマー」オーディションを行います。

未國はこれまで作品ごとにキャストを募って参りましたが、
今回は、永続的に活動出来るチームを作りたいと考えております。
詳細は、未國newsをご参照ください。
中将姫(郎女/いらつめ)は、太宰府から取り寄せられた阿弥陀経を千部手写の発願して、
取り憑かれた様に写し続け、神の幻想を二上山に昇る朝日に見た。
そしてこの世を去るまで、其の俤人(オモカゲビト)を想い続けた。
34.jpg

「光り輝く雲の上にまざまざと見たお姿。《やまと》の国の人とは思はれぬ。
だが、自分のまだ知らぬこの国の男子《をのこご》たちには、あゝ言ふ方もあるのか知ら。
金色《こんじき》の冠、金色の髪の豊に垂れかゝる片肌は、白ゝと袒《ぬ》いで美しい肩。
ふくよかなお顔は、鼻隆く、眉秀で、夢見るやうなまみを伏せて、右手は乳の辺に挙げ、
左は膝のあたりに垂れて……あゝ雲の上に朱の唇、匂ひやかにほゝ笑まれたと見た……
あの俤(オモカゲ)。」折口信夫「死者の書」より
郎女1

郎女が見たその俤(オモカゲ)は、キリストの様だ。
ステレオタイプの「大和の神」を描いてはいない。
中将姫の墓

古代の人々は、現代人には全く想像できない別の次元(原理)で生きていた。
ならば、物質社会の中で生きる僕に、なにが描けるんだろうか?

僕は大粒の雨の中、郎女の墓に手を合わせた。
大津皇子は天武天皇のもっとも優れた跡継ぎだった。
文才があり、武芸に秀で、明るく屈託の無い謙虚な人柄に信望が集まったらしい。

そんな彼がなぜこんな朽ちた墓所で眠っているのか?
色んな説があるが、歴史本に書いてある事を要約すると、
「もう一人の天皇跡取り候補[草壁皇子]と其の母親の策謀にはめられ自害した」
と云う事で落ち着いている。

二上山中


でも、1400年も前の話だ。
文献も少なく推測でしかないだろう。

雷に打たれ裂けひらいた大木の下の下、
折口はこの墓の前に立ち彼の叫びを確かに聞いた。
棺桶も無く直土の圧力に抵抗し伝わる生への執着。

絵本にある神話の様な色彩はここにはない。
むしろ原生林を凝縮した様な荒々しい深緑。

恐らく、肉眼では見えない世界がここには広がっている。
墓全景


登山者もほぼ訪れない二上山山頂付近にあるひっそり盛り上がった雑木林。
ここが問題の折口信夫の「死者の書」で描かれた「俺の墓」だと思われる。
宮内庁が管理しているこの「墓」を代々の天皇家古墳稜と比べるれば
一目で「まともではない死者の墓」だと云う事がわかる。

宮内庁


こんもりとした奥に進みたかったのだが、敬意をはらい侵入を断念。
薮漕ぎをしてサイドに回りなんとか中心部を覗いてみた。
そして其の光景に唖然とした。

なんだこの雰囲気???
ここが異界への入口なのか・・・
墓近影

1000年の時を超え得体のしれない波長が
この小さな空間から湧き出ている。
妖気とか、そんな表層的イメージではない。
自分の持ち合わせた創造力を総動員しても計りきれない物語。
これなんだ!
折口が伝えようとした独特のイメージ。
言葉として形として説明のできない歯がゆさがあり
また同時に今も眠り続ける日本人のイマジネーションを
刺激してやまない神話の奥の奥。
なんだか妙な幸福感。
自分の知らない情緒に包まれ、皮膚があやうさを吸収している。
ああ、これが「死者の書」の風景なんだ。
二上山全景


行ってきました。

本年の未國本公演の題材、「当麻寺」。

写真後方の二つのこぶのある山が二上山です。

行きたかった所は全て歩き尽くしたので、写真は数十枚になりました。

写真を小出しにしながら感想など書いていこうと思っています。

(ちなみに、赤いテーシャツは庭師の方です)

では。。。